「どうしても思い出のモノが捨てられない」お客様へのサポートとは
片づけのプロならどんなに散らかった部屋でも、「あっという間にきれいに片づけられる」・・・わけではありません。
お客様の片付けに対する意識や取り組み方、愛着の度合いなど様々な要因によってそのスピードが違ってきます。
特に思い出のモノに関しては、自分の心と向き合って手放すことに心から納得できなければ捨てることができません。
そのためにプロとして様々な角度から声掛けをさせていただくのですが、すんなり手放せる人もいればまったく先に進めない人もいます。
今回ご依頼いただいたお客様は、後者のタイプ。
ひとつひとつモノを手にするたび思い出が蘇ってきて、どうしても捨てられないと悩んでいらっしゃいました。
子どもの思い出のモノが捨てられない
お部屋を見させていただくと、スペースに対して70%オーバーと思われるほどモノで溢れています。
<ビフォー>
その多くが紙モノ。
お子さん(現在中学生)が使っていた小学校の教科書やテストの解答用紙、絵や工作や覚えたての文字が書かれた紙の切れ端まで、1枚1枚見ていくには途方もない数です。
それでも快適な空間にするためには、やるしかありません。
どれも大切な思い出だから捨てられないんです
仕分けを進めていくと、使っていないモノが次々と現れます。
子どもが小さい時に買ったのに1度も読んでいない袋に入ったままの絵本、昔のCDやVHSのビデオカセットテープ。
「子どもを膝の上にのせて、毎日一緒に見ていたんですよね~」
「捨てなければ」とわかっていても、モノを見るとその時の光景が思い出され、どうしても捨てる気持ちになれないようです。
この日は、4時間かけても部屋の一部しか片づけられませんでした。
どうすれば思い出のモノを捨てられるのか?
確かに、思い出は大切です。
モノがあることで楽しかった記憶を懐かしく思い出せます。
でも、昔の思い出って楽しかったことばかりじゃないですよね。
私なんて忘れたくても忘れられない辛~い思い出が山ほどあります。
それにまつわるモノを捨てても、辛かった思い出が時々出てきて苦しく感じることなんてしょっちゅうです。
つまり、モノがあってもなくても思い出はしっかり心の中にあるということです。
だから、大切な思い出のモノを捨てても、その楽しかった記憶が全部消えるわけではないということを、まずは理解していただき、お客様の意識を少しづつ変えていくことが私の役目なのです。
まだ片付けに本気で向き合っていないお客様にどこまでサポートができるのか私自身も思案中ですが、可能な限り寄り添っていけたらなと思っています。